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瑠璃のにゃんこ部屋

22歳のアルトさんその3

く、首がっ・・・首がどんどんひどくなってく・・・。首が痛いんだか頭が痛いんだかわからなくなってる。注射治療まで始めてしまいました。これで少しは楽になっていくといいな。

そんな私の楽しみは当然アルシェリ!公式はもちろん、アルシェリサイトさんの語りや二次創作です。VF本が出た後、あちこちのサイトさんが始めた22歳のアルシェリがたまりませんっ!
私が今書いてる「風に乗る歌」はTV版が基本なので上草シオン設定ではないのですが、一応22歳のアルトさんのお話です。
VF本を買っているとは思えないくらいメカ描写がなってないことはお願いつっこまないで・・・。
以前書いたとおり、イツワリ公開前に大本の話を考えたので、「アルト、シェリルをどれだけ愛してるか自覚しろぉぉぉぉぉっ」が書きたかったんです。
ああ、アルシェリまだまだ全然足りないわ!語りたい書きたい人さまのを読みたい~!
というわけで3話です。




風に乗る歌 3


「統合軍の返事はノー、ってことらしいぜ。政府筋、軍情報部筋、それとキャシー大尉の昔のパイプを使った筋、どかからも同じ答えが来たようだ」
「まあそうだろうな。あんなに静かだったんだし・・・」
 ミシェルの言葉にアルトはうなずいた。確かに演習を街の真上でやったりはしないが、それでもデータは残る。やったことをやらなかった、と言い切るには事が大きすぎる。
「じゃあ、余計にあれは何だったのか、ってことですよ」
キーを叩くルカの表情は皮肉に満ちている。
「統合軍ではない、もちろんぼくらもやってない。どっちでもないなら不明機でしょう?それがいつのまにか大気圏を突破したかどこかから盗み出したか、っていうなら軍の怠慢ですよ」
 ルカの言葉は突飛なようでいて、事態がこうなってきては単なる思い付きの域を出る。
普通ならああなる前に救難信号を出す。脱出もする。それができなかった時点で、薄暗い事情があるだろうということは想像がつく。
アルトは自分でいれた緑茶を口にした。思考がクリアになっていく気がする。
「森にまだいるんじゃないのか?」
 ルカの言うように「薄暗い事情」のある者があの遺体だったのなら。それが一人であるとは言い切れない。もしも、何人もいたら?
「あれが単なるミスなのか仲間割れの末のリンチなのか、ああも大ごとになったのは偶然か何かを狙ってのことなのか・・・可能性は少しでも多く考えておいた方がいいってことだな、アルト」
 アルトは大きく頷いた。
 それと同時に彼らの上官が入室してくる。3人は立ち上がって敬礼をした。
「そのツラじゃ、わかってるようだな。あの森の調査依頼が軍から正式に来た」
「あの森に仲間がいる可能性を考慮したわけですね、遠まわし遠まわしに」
 オズマが不敵に笑う。
 ルカの言った通りだろう。不明機が見つかっただけでも軍の怠慢なのだ。それがまだ何機も隠れているとなったら?おおっぴらには言えないことだろう。
「もちろんあの一機の事故という可能性だって捨てたわけじゃない。だが、すでにあの森にはあれ一機じゃないVFとそのパイロットの存在を大きな可能性としてとらえている。作戦開始は3時間後、それまで各自休息をとっておくように」
「イエッサー!」


「スカル小隊最後の任務になる、のかしらね」
キャシーの淹れたコーヒーはオズマの舌を大層喜ばせた。入っているのがプラスティックだったとしても。
「ミシェルが帰って来た時から考えてたことだがな」
 エース、リーダーをアルトに。その考えをくみ、行動を実現させるための右腕にミシェルを。最高レベルの処理能力でルカが支える。この3人がいればどんな新人が入ってきたとしても安心して任せられるだろう、とオズマはかなり初期から思っていた。もちろん、経験を積んだ後に、だ。
 あれから5年。命を落としたと思っていたミシェルが生還してから、その計画はオズマの中で進んで行った。オズマ自身は実働部隊を統括する大隊長の話が来ているからというのもある。
「そうね、最高のチームだと思うわ。スカル正体は解散・・・アルト大尉の新しいチーム名はヴァルキュリア小隊、ってのはどう?」
「戦乙女か?お前もずいぶん少女趣味だな」
「女ですもの」
 キャシーは勝ち誇ったように胸を張った。この時間が過ぎれば、二人とも任務につく顔になるのだ。


 任務までの3時間、アルトは自室で横になるだけだった。バジュラ戦役末期でもあるまいに、と思う。シェリルがいれば電話かメールの一つもしただろうが。
 炎を確認してすぐに軍は出動した。その時に不明機は目視されず、レーダーにも映らなかった。その後は軍によってレーダーは厳重に監視されていたから、あのパイロットに仲間がいたとしてもこの広い森からVFを使って動けはしない。だからこの森をしらみつぶしにしていけば必ず見つかる・・・はずなのだが、それがまた難しい。
「米粒の中の麦粒を見つけるような物だからな」
「いっそのこと向こうが撃ってくれば帰り討ちにしてやるんだがな」
 ミシェルの言葉に、オズマの指示にはそういう意味も含むとアルトは改めて思った。
 上空をしつこく飛んでいれば、中に隠れている連中が存在するなら威圧することができる。向こうが焦れて撃ってくるかもしれない。
 と。モニターに点滅する光が現れる。
「ミシェル、ルカ!」
「ああ、救難信号だな」
「降伏信号ではなくて、ですね」
 罠か、それとも本当の事故が起きているのか。現時点でわかるわけもない。だが、救難信号を無視することはタブーなのだ。
 発信者に向けて、フロンティア政府の委託を受けて調査中の軍事組織であることを信号で伝えたが答えはなかった。
「アルト・・・」
「行ってみる。ミシェル、ルカ、ここで待機してくれ」
「わかった。気をつけろよ」
「何かあったらすぐに連絡下さい」
 愛機を操り、信号の発信場所の大まかな位置の上空まで移動し、木が少ない場所を選んで、それでも何本かの木をなぎ倒しながら着地させた。


                       ・・・つづく
by castlesky | 2011-05-14 23:59 | マクロスF小説

只今屍鬼(SQ版)に夢中。敏夫と夏野が好きなので敏夏敏ベース。マクロスFアルシェリも大好物。同人サイトに限りリンクフリーですのでどうぞ。
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